「図書館司書」(以下「司書」)とは、図書館で働いている方々が持っている資格です。資格には、「司書」と「司書補」の2種類があります。
このほか、少し傾向が違いますが、学校図書館に勤務する「司書教諭」もいます。司書教諭については、「司書教諭になるには」をご覧ください。
文部科学省のサイトでは、司書について次のように説明しています。
司書は都道府県や市町村の公共図書館等で図書館資料の選択、発注及び受け入れから、分類、目録作成、貸出業務、読書案内などを行う専門的職員です。司書補は司書の職務を補助する役割を担います。
出典:司書について|文部科学省
図書館法という法律で定められている資格で、いわゆる「国家資格」のひとつです。
ただし、図書館で働くために「司書」「司書補」の資格が必要であるかというと、そうではありません。図書館で働いている人はすべて司書か司書補の資格を持っていると勘違いされることが多いのですが、現実にはそうではありません。たまたまバイト先が図書館だった、資格のないかた歓迎といった条件で採用されたというケースも珍しくはありません。
資格がなくても働けるということが、いわゆる士業や師業と異なる点です。例えば、弁護士業務を行えるのは弁護士だけであり、医療行為を行えるのは医師・看護師・助産師などの有資格者だけです。すべての士師業ではありませんが、持っていないと業務を行えない資格を「業務独占資格」といいます。
「司書」「司書補」は「業務独占資格」ではありません。そのため、図書館で働いている方々がすべて「司書」または「司書補」であるとは限りません。図書館で働いている人のことを「図書館員」ということもありますが、「図書館員」という場合は「司書」や「司書補」以外の人もいるという含みがあります。
とはいえ、一般的に図書館の求人では、「司書」(または「司書補」)の資格を有すること、という条件がつく場合が多くなります。このサイトにたどりついた方は、図書館で働きたいと思っていらっしゃると思います。図書館で働きたい場合は、あらかじめ「司書」や「司書補」の資格を取ることをおすすめします。
「司書」の取り方については、「図書館司書になるには」をご覧ください。
「司書補」の取り方については、「司書補になるには」をご覧ください。
私の場合も、前職を退職後、司書講習で司書資格を取ってから就職活動に入り、公共図書館に採用されました。司書資格を取っていなければ、就職は難しかっただろうと思います。
司書講習には、現時点では資格なしで図書館で働いているが、やはり資格が必要だから来た、という方が多くいました。図書館でずっと働きたいと思ったら、やはり資格が必須です。
司書講習については、「司書講習はこんな感じです」をご覧ください。