司書教諭になるには

司書教諭になるには 司書資格
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司書資格には、「司書」と「司書補」の2種類あります。しかし、少し傾向が違いますが、もうひとつ「司書教諭」という資格があります。ここでは、「司書教諭」について説明します。

「司書」については「図書館司書になるには」、「司書補」については「司書補になるには」をご覧ください。

司書教諭とは

司書教諭とは、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の学校図書館にいる「教員免許」と「司書教諭資格」の両方を持っている人のことです。両方の資格を持っているので「司書教諭」です。

※「司書教諭資格」だけではだめで、必ず「教員免許」が必要です。また、資格があっても学校図書館で司書の仕事をしていなければ「司書教諭」とは言えません。

司書教諭と司書・司書補の違いとは

「司書教諭」と「司書・司書補」という2系統の資格があります。資格自体が異なります。司書資格・司書補資格を持っていても、司書教諭資格にはなりません。とはいえ、仕事の内容に大きな違いはありません。

この記事をお読みの方々は、学校にある図書館には行ったことがあると思います。市区町村立図書館などの公共図書館にも行ったことがあるでしょう。どちらの司書の仕事も、基本的なところは同じであることがわかると思います。

貸出、返却、配架といった基本的な作業は同じです。学校図書館であれば、児童・生徒が手伝っているかもしれませんし、公共図書館ほどレファレンスに重きを置いていないかもしれません。しかし、基本は同じです。

では何が違うかというと、司書教諭は未成年である児童・生徒が主な利用者であるという点です。仕事の中に教育という要素が強く入ります。
公共図書館であれば、老若男女すべてが対象で、児童・生徒は利用者の一部です。生涯教育のひとつではありますが、学校ほど強い要素ではありません。

そのため、司書教諭には司書としての資格だけでなく、教員としての資格も必要になります。

※教員資格なしで学校図書館で働いている方も少なくありません。これらの方々は「司書教諭」ではなく「学校司書」といいます。「学校司書」は必ずしも「司書・司書補」である必要はありません。このあたり、「司書・司書補」という専門職が軽く扱われているのではないかという気がします。

司書教諭のなり方

司書教諭のなり方について「いま高校生なら」「いま大学生なら」「いま社会人なら」の3パターンに分けて説明します。

いま高校生なら

教員免許と司書教諭資格の両方が取れる大学(または短大)に行きましょう。

いま大学生なら

通っている大学で教員免許と司書教諭資格が取れるのであれば、そこで取りましょう。少なくとも、教員免許は取ってください。それも取れないようであれば、大学に入りなおすところからやり直す必要があります。教員免許があれば、司書教諭資格は、あとから取ることも可能です。次の「いま社会人なら」で説明する方法で取りましょう。

いま社会人なら

まず前提として、教員資格を持っている必要があります。そうでない場合は、まず大学等で教員資格を取ってください。
そのうえで、大学で開かれている司書教諭講習、または大学の通信教育で司書教諭資格が取れるコースを受講してください。

例えば、放送大学では昨年度(2023年度)、次の日程で学校図書館司書教諭講習が実施されました。

  • 出願・申請受付期間:2023年5月1日(月)~5月31日(水)私書箱必着
  • 放送授業期間(再放送を含む):2023年7月20日(木)~8月3日(木)(再放送:7月21日(金)~8月4日(金))

出典:2023年度 夏季集中科目履修生の募集について(学校図書館司書教諭講習について)|放送大学

このほか、全国の複数の大学で講習が実施されますので、そこで司書教諭資格を取ってください。

教員免許と司書教諭資格の両方を取ったら

教員として採用され、学校図書館の職務を担当したら「司書教諭」です。ここがいちばん大変です。ご健闘をお祈りします。無責任ではありますが、採用に関しては、私にはどうにもなりません。